何の不注意もなく、それでいて避けることの出来ない一瞬の交通事故で、今までどおりの幸せな生活をおくることができなくなります。仕事や趣味は制限され、不眠に悩まされる方もたくさんいらっしゃいます。身体の痛みに悩まされる毎日に唯一、希望を持たせてあげられるのが、我々がおこなうリハビリテーションだと思いますが、通常のけがと違い炎症期が長期間に渡るのも特徴で、しばらくアイシング治療を施し、筋スパズムもなかなか緩まないため、強い刺激を加えることも出来ません。関節の可動域を広げる本格的な治療を始められるのは、かなり日にちが経ってからとなってしまいます。
そのような状況で、次に患者さんに襲いかかってくるのが相手側(加害者側)の保険会社さんです。ある時期が来ると、執拗に示談を迫ってきます。慰謝料や治療費などの費用が120万円を超えそうになってくると、自賠責では補えなくなるとの理由ですが、患者さんとしては到底そのような理由で治療を打ち切られることに納得できるわけもなく、私たち治療家も少なからず焦りを感じてしまうわけですが、交通事故に遭う前の正常な身体をとり戻すことだけを考えて、日々たゆみなく治療技術を磨くことが、自分の使命と考えます。